逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
第83話
伊吹くんの部屋は、八畳ほどのワンルームだった。
家具といえば、ベッドとこたつ、テレビ、本棚付きのテレビ台だけ。こたつの上には、世界のお菓子に関する本が積み上げられ、何冊ものノートが開かれたままになっている。壁際にはダンボールが並び、中にはお菓子の空き箱やパッケージがぎっしり詰め込まれていた。
祐介は無造作にノートを一冊手に取り、ぱらぱらとページをめくる。
「相変わらず、お菓子研究ノート書いてるんだな」
伊吹くんは下を向いたまま小さく頷き、力なく床に座り込んだ。私たちも、こたつを挟んだ向かいに座った。
「姉ちゃん、伊吹さ、高校の頃からずっと、食べたお菓子を記録してるんだよ。いつか自分で商品開発をしたいって言って」
祐介がそう言いながら、壁際のダンボールに視線を向ける。
「シルベストレ製菓に就職してからは、お菓子の箱や袋まで集めるようになったんだ。いつか自分のアイデアが商品になるときには、パッケージデザインにもこだわりたいんだって。な、伊吹」
声をかけられたが、伊吹くんは黙ったままだ。
「そうなんだ」と、私は呟いた。いつも穏やかに笑っているような伊吹くんの内側に、こんな情熱が秘められていたのか──。
祐介は伊吹くんを見つめ、静かに口を開いた。
「ダークレイス社の三浦さんに聞いたよ。俺の原稿と引き換えに、オーディション通過させてもらったんだってな」
家具といえば、ベッドとこたつ、テレビ、本棚付きのテレビ台だけ。こたつの上には、世界のお菓子に関する本が積み上げられ、何冊ものノートが開かれたままになっている。壁際にはダンボールが並び、中にはお菓子の空き箱やパッケージがぎっしり詰め込まれていた。
祐介は無造作にノートを一冊手に取り、ぱらぱらとページをめくる。
「相変わらず、お菓子研究ノート書いてるんだな」
伊吹くんは下を向いたまま小さく頷き、力なく床に座り込んだ。私たちも、こたつを挟んだ向かいに座った。
「姉ちゃん、伊吹さ、高校の頃からずっと、食べたお菓子を記録してるんだよ。いつか自分で商品開発をしたいって言って」
祐介がそう言いながら、壁際のダンボールに視線を向ける。
「シルベストレ製菓に就職してからは、お菓子の箱や袋まで集めるようになったんだ。いつか自分のアイデアが商品になるときには、パッケージデザインにもこだわりたいんだって。な、伊吹」
声をかけられたが、伊吹くんは黙ったままだ。
「そうなんだ」と、私は呟いた。いつも穏やかに笑っているような伊吹くんの内側に、こんな情熱が秘められていたのか──。
祐介は伊吹くんを見つめ、静かに口を開いた。
「ダークレイス社の三浦さんに聞いたよ。俺の原稿と引き換えに、オーディション通過させてもらったんだってな」