逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 大きなその手がふれた瞬間、まるで全身がその温もりに包まれるかのようだった。鼓動が一気に高鳴り、頭が真っ白になる。

 瞬きも、呼吸をするのも忘れて、ただ私はその場に立ち尽くしていた。

「……う、ん……」

 蓮さんが寝ぼけた声をもらしながら寝返りを打つ。その拍子に力が緩んで、私はやっとの思いで手を引き抜くことができた。

 ただ寝ぼけていただけ。意味なんて何もない。それくらい、わかっている。だけど……。

 ──もし、彼がほんの少しでも私のことを意識してくれていたら、どんなに嬉しいだろう。

 心臓の鼓動は一向に収まらず、顔が熱くなる。だめだ、こんなことで動揺するなんて。

 「……バカみたい」

 自分を笑おうとするが、手首に残る蓮さんの温もりが消えず、胸はざわついたままだ。

 気持ちの整理がつかないまま、私は蓮さんにブランケットを掛け直し、そっとその場を離れた。
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