逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 その後、夕方まで庭で静かな時間を過ごした。何もしていないのに、なんて充実感のある日曜日なのだろう。

 検索を終えた私は、縁側に寝転がり、ゆっくりと空を見上げた。今日の空はどこまでも高い。

「蓮さん、お茶飲む?」

 寝転んだまま声をかけてみたけれど、返事がない。

 蓮さんはハンモックチェアに揺られながら、穏やかな寝息を立てていた。さっきまで読んでいた文庫本は、膝の上でページを開いたまま止まっている。

 なんて……きれいな人なんだろう。

 静かな午後の日差しに包まれるようにして眠る蓮さんの顔に、視線が引き寄せられた。少しくせのある髪が、穏やかな呼吸に合わせてわずかに揺れている。

 こっそりと、膝の上の本タイトルを見る。『夏への扉』だった。読後感のいい、私も大好きな小説だ。

 ブランケットを持ってきて、風邪を引かないようにそっと掛けてあげようとする。

 顔が彼に近づき、長いまつげの一本一本までが鮮明に見えた。こんなに近くで彼の寝顔を見るなんて、初めてだ。

 その瞬間、蓮さんの手がふいに私の手首を掴んだ。
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