逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「……薫のシナリオを預かった日、『イングル』で取材があったんだ。『イケメンクリエーター』とかなんとか、小さな記事なんだけど、その時にみのり──浅川さんと初めて会ったんだ」

 この話がどこへ向かおうとしているのか分からないまま、私は頷いた。

 航と浅川さんのなりそめには興味がないけれど、とりあえず聞いてみるしかない。

「取材の一環で、将来やりたいことを話しているうちに、みのりに『オリジナルの脚本はないんですか?』って聞かれて。本当に馬鹿だけど、俺、そのとき持ってた薫の原稿を渡しちゃったんだ……」

 それを聞いて、怒りでこめかみが熱くなる。

「なんでそんなこと……!」

 航はその場にしゃがみこんで頭を抱えた。

「薫の脚本、いつもすごく良くて。トリッキーなことは何もしてないし、語彙力だって大したことないのに、薫の脚本は読んでて心にすっと入ってくる……」

 端正な顔を今にも泣きそうに歪めた航は、見たことがないくらい苦しそうだった。

「俺……薫のことが好きだった。いつか共作でオリジナルを書けたらいいなって思ってた」
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