逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 蓮さんは、本を読むのも好きだった。

 1冊を読み終えると、内容を整理するかのように散歩に出かける。ほかにも考え事をするときなど、蓮さんは河川敷までの長い散歩に出かけた。

 最初の頃は、ひとりになりたいのかと思って黙って見送っていたけれど、あるとき「薫も散歩する?」と声をかけられてからは、ふたりで歩く時間も増えた。

 モデルのように整った顔と都会的なスタイルからは想像つかないほど、蓮さんは穏やかで落ち着いた人だった。最初に抱いていたハイソな印象とは異なり、いい意味で地に足のついた人。

 そして……そんな彼に惹かれつつある自分に、私は気づいていた。

 蓮さんと一緒にいればいるほど、離れていても彼のことを考える時間が増えていく。いずれ離れる人だとわかっているから、好きになれば自分が辛くなるだけだということも理解している。

 それでも、自分の気持をコントロールできるほど、私は器用ではなかった。
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