逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 私は照れ笑いを浮かべた。ここまでバレバレだと、少し恥ずかしい。そういえば友記子にも「薫って、チョコレートとかガムの代わりに、あたりめを机に隠し持ってるよね。イカ好き?」と突っ込まれたことがある。

「蓮さんは、なんだろう……蓮さんもイカ?」

 蓮さんは、端正な顔にいたずらっぽい笑みを浮かべて「正解」と答える。「最初の頃から気づいてたけど、僕たち、食の好み似てるよね」

 店内を一周回って必要なものを揃え、お会計のためにレジの前に立つ。そこで、カゴの中の最終チェックをしていた蓮さんが言った。

「あ、そういえばかつお節を切らしてたんだ。探してくるからちょっと待ってて」

「さっき、かつお節がある場所見たから、私が行ってくる」

 かつお節を取ってレジ前に戻ろうとしたとき、陳列棚の先で、蓮さんが誰かと話しているのが見えた。

 相手は、茶色がかった柔らかそうな髪をハーフアップにした、スラリとした美しい女性だ。
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