逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 その言葉に、顔も知らない彼の元カノたちに怒りが湧いた。

「蓮さんはつまらなくなんかないよ。本を読んでいるから話題が豊富だし、居心地がいい縁側を半分私のために空けてくれるし、料理だって、和食にスパイスとかハーブをちょっと足して、美味しくするためにひっそり研究してるの知ってるよ! 蓮さんの料理はすごく美味しい。大好きだよ」

 しばらく私を見つめていた蓮さんは、安心したように「そんな、孤独なマッドサイエンティストみたいな言い方」と笑い、それから私をそっと抱きしめた。

「ありがとう。この期限付き結婚の相手が薫で、本当によかった」

 引き締まった体と高い体温を感じ、ひだまりのような香りに包まれる。

 私の心臓はドキドキしつつも、不思議な安心感に満たされた。

「この結婚生活が終わるまで、君を大切にしたい」

 早かった蓮さんの鼓動が次第に落ち着いていく。それにつられるように、私も穏やかな気持ちで眠りに落ちていった。
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