君と。

君のいない世界

今日は映画館でデートの日。
冷たい風が吹く中、時計塔の下で彼女を待っていた。
「遅いなぁ…｡」
時計を見ると約束の時間から20分も過ぎている。
彼女からは一向に連絡が来ず、彼女に何かあったのか？と不安になり始めていた。
電話も何度もかけてはいるが繋がらない。
不安と焦りで心のざわめきが止まらなかった。
プル…プルル…プルルルル。
電話がかかってきた。やっと連絡が着いたと安堵しつつスマホの画面を見ると、彼女からの着信ではなかった。
日も少し落ち始め、枯葉が風で舞っている。
僕は嫌な予感がした。恐る恐る電話に出た。
「相園遥さんが———。」
僕は手に力が入らなくなりスマホを落とした。
途端に涙が溢れだし、泣き叫ぶ僕は、通行人の好奇な目に晒される。
僕の彼女、相園遥は事故で亡くなってしまったらしい。