幼馴染み、四重奏。
〇最寄り駅の中(放課後)
 伊織と玲司、駅の中の本屋で買い物をした後、またアウラビルディングに戻ろうとする
伊織「あ。あれ、涼ちゃんの高校の」
 伊織、涼と同じ制服を着ている一団を見つける
伊織「涼ちゃん、文化祭でどんな事をしてるのかな。脚本かな。役者さん? ちょっと覗いてみたいかも」
玲司「いや、いいだろう」
伊織「え?」
 伊織、てっきり賛成してくれると思ったので驚く
 玲司、ハッとなり、
玲司「涼君は集中したいタイプだ。サプライズを仕掛けられるのも好まないし、事前に連絡してからにしよう」
伊織「それもそっか。流石は玲司さん」
 伊織、スマホの着信に気づく
伊織「涼ちゃんと昴君、カフェに着いたって。行こう」
玲司「ああ」
 玲司、スマホのメッセージを確認し、眉根を寄せる
 交流会四人のグループではなく、伊織を除いた三人のグループで、
涼「えっ、何でいないの? 抜け駆け?」
昴「許さない地の果てまで探しに行く待ってろ」
 と、玲司への恨み言が送られていた

〇玲司の家の自室(夜)
 私服姿の玲司、鞄を開ける
玲司「ん?」
 見覚えの無い、紙が入っていた
 ハートの形に折られたレポート用紙だ
 玲司が丁寧に開くと、伊織の筆跡で暗号文が書かれていた
伊織「今日も有り難う。来週はお出かけだね。凄く楽しみだな」
 玲司、眼鏡を外し、項垂れながら眉間を揉む
 ドアがノックされ、開く
玲司の母「玲司君、来週はついにお出かけなんでしょ、私服は駄目? 良さそうなのを買ってきたんだけど」
玲司「母さん。そういうのは、自分でやりますから……」
 玲司、顔を真っ赤にしながらも、何とか答えた
 
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