そばにいるって、君が忘れないように
「分かったよ……近づかないから」
「そう、それならいい。もう少ししたら私たち付き合うと思うんだけどねえ」
マキがフッと一瞬笑う。
遠くにいたマキが一歩一歩、私のところに迫ってくる。
私の耳元に顔を近付けると、
「だから《《邪》》《《魔》》、しないでね」とわざとらしく言った。
邪魔……。
私の身体は固まる。
あれ、でもなんで……?
「あ、あの何でこの前、私に五人の連絡先を訊いて来るように言ったんですか? 武が好きなのに……」
「あーそれね、惹きつけ用」
「惹き……つけ用……?」
「あの五人は学校内で美少年だって有名で、ファンクラブだってあるでしょ。その人たちの連絡先を知ってるって言えば、武、嫉妬してくれるかなーって思っただけー」
そして、中江マキは満足げに笑いながら、勝手に屋上を出ていった。
「最低……」
──あーそれね、惹きつけ用
惹きつけ用?
なにそれ、酷すぎる。
五人がイケメンで?
顔がいいからって?
ファンクラブあるからって?
有名だから?
人気があるから?
だからって利用するなんて……最低。
五人は物なんかじゃないのに……。
私は五人が大好きなのに……!