そばにいるって、君が忘れないように
今は授業中なのだから。


「相変わらず、亮先輩ったら問題児だね。優等生みたいな感じするのに」と私がぼそっと言って、読書をしていた彼の隣に座った。


「……」
 

私が黙っていると、彼が覗き込んできた。
 
眼鏡の奥の澄んだ瞳がすっと心に浸かってくる。


「どうかした?」

「い、いや。べつに?」

「嘘だ」

 
亮先輩は眼鏡を外した。


「今日ののどか、なんか変だよ?」

「そう?」

「うん。すごく」

 
なんか、心の中をすべて見透かされているみたいだ。
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