そばにいるって、君が忘れないように
とうとう我慢していた涙が溢れ出てしまった。


「のどか……」

 
亮先輩は、私を引き寄せて、そっと包み込んでくれた。

それはとても、温かくて……。

ぬくもりって、こういうことなんだって思った。

 

私はそのあと、屋上へ向かった。
 
誰か来ないかなー、と考えながら、地べたに胡坐《あぐら》をかく。

そこから見える連なる山々を眺めた。


「のどか」

 
誰かの声が聞こえた。
 
まさか、本当に来たのか、と思った。

 
驚きながら、後ろを振り返るとそこには優弥先輩がいた。


「なに? そんな驚いたような顔で僕を見ないでよー」と彼は私の隣に座る。
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