そばにいるって、君が忘れないように
「じゃあ、クレープ食べに行こうか?」

「キングが奢ってくれるの?」

 
のどかが少し目を輝かせたような気がした。


「よし、わしが奢ってやる!」

 
わしも、久しぶりにクレープ食べれて嬉しいし、何より、のどかが喜んでくれているのが嬉しい。

 
帰りに、人気のクレープ屋さんに寄った。

どれも美味しそうだったけど、わしはのどかと同じ、チョコバナナクレープにした。


「こんなにクレープって美味しかったっけ……」

 
久しぶりに食べたから、わし、味まで忘れていた。
 
のどかはクレープにかぶりついた後、とても目を輝かせた。


「おいしい?」と訊くと、のどかは「うん……うん」と、言った。

だか、わしはそれまで、のどかが食べながら泣いていることに気づかなかった。


「のどか? どうしたん?」
< 215 / 217 >

この作品をシェア

pagetop