復讐殺人日記
☆☆☆

葬儀場から私の家までの道のりはほとんど会話がなかった。
ふたりともうつむき、無言でひらすら歩き続けた。

庭先にお母さんの車がないことを確認して、私は貴斗を招き入れた。
葬儀帰りのため互いに塩をふりかけあってから、

「どうぞ」
「お邪魔します」
そんな短い会話だけ交わして部屋に向かう。

部屋に到着した途端あの音が聞こえてきた。
カリカリカリカリ。
ペンを走らせるその音に気がついて私は机へと走った。

案の定、そこには日記帳が広がっていて、角張った文字で次のページが埋まっていっている。

「くそ! もう始まってたのか」
貴斗が舌打ちをして書け寄ってくる。

そして日記帳に書かれた文字に青ざめた。
< 108 / 152 >

この作品をシェア

pagetop