復讐殺人日記
「大通りチャレンジ」
つぶやいて、全身がゾッとした。
そして貴斗と視線を合わせる。

「保人のやつ、生きてころ俺たちにさせられたことをやり返してるんだ」

貴斗がギリッと奥歯を噛み締めた。

そしてその勢いで日記帳を破り始めたのだ。

力任せにビリビリと音を立てて破られた日記帳は、紙切れになって床に落ちていく。

「くそっ! くそっ!」
日記帳は燃やしても捨てても意味がなかった。

保人の仏壇に手を合わせても呪いは解けない。
私たちにできることはあとなにがあるだろう?

貴斗が日記帳を破り終えて肩で深呼吸をしている。

だけどその間に日記帳は再び元通りの姿で机の上に乗っていて、床に散乱したはずの紙くずは消えてなくなっていたのだった。
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