復讐殺人日記
☆☆☆

大通りチャレンジ。
それは言葉そのままのチャレンジだった。

車が行き交う大通りの歩道がない場所を渡らせるのだ。
ある日の放課後、私たち4人は保人を取り囲んで目当ての大通りを目指した。

大通りチャレンジを提案してきたのは貴斗で、とてもおもしろそうだったからすぐに実行することにしたのだ。

帰宅準備をしていた保人を4人で取り囲んだとき、保人はすでに絶望的な顔をしていた。
『どこへ行くの?』

その質問には誰も答えなかった。
ただニヤニヤと笑って保人を見て、逃げないように取り囲んで進んでいく。

そして事前に話し合って決めていた大通りまで来た時、私は保人の背中を軽く押した。

『危ないだろ!?』
危うく車道へ飛び出してしまいそうになった保人が青ざめて叫ぶ。

『誰に口聞いてんだよ』
貴斗がすぐに睨みをきかせてうつむいてしまった。
『あんたにはこれから大通りチャレンジをしてもらうから』
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