復讐殺人日記
頭をかいて日奈子をにらみつける。

「お前なそんなことできるわけねぇだろ! あの日記には俺たちのことも書かれてるんだぞ」

「そ、それなら事件の部分だけ切り取って提出するとか」

「そんなの余計に不審がられるだけでしょ。あれは誰にも見せないし、誰にも言わない。そもそも犯人の保人はもうこの世にいないんだから、ほっとくのが一番なんだよ」

瑞穂が噛んで含めるように説明する。
日奈子はそれでも納得できないのか、ずっとうつむいていた。

「そもそも保人ってあんなに危険なヤツだったんだね。私たちだって危なかったってことでしょ? 危険回避できてよかったじゃん」

瑞穂は更に言葉を続けて笑った。
日奈子のことを気にした発言だと思うけれど、間違ってはいない。
私たちが『獲物』にされていた可能性だってあるのだから。

「とにかく事件のことは気にしないことだね。もし警察がなにか感づいて私たちのことろにきても日記やイジメについてはなにも話さないこと、いい?」

私の言葉に瑞穂と貴斗はすぐに頷いた。
日奈子は少し迷った末、だけどそれしか道はないと判断したようでふたりと同じように頷いたのだった。
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