復讐殺人日記
小さな音が自分のすぐ近くで聞こえてくることに気がついた。
持っている日記帳に視線を落とす。

そっと持ち上げて耳に近づけてみると……カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ。

「キャアア!!」
思わず尻もちをついて日記帳を投げ出してしまった。

小さな音はたしかに日記の中から聞こえてきた。
でもそんなことってある?

信じられない気持ちで床に落ちた日記帳を見つめる。

音は今でも続いていて、それは鼓膜に張り付いてしまって取れそうになかった。

自分の中に湧き上がってくる恐怖心をどうにか押し込めて、日記帳に手を伸ばして拾い上げる。

この音の正体がなんなのかわからなければ、気になって眠れもしない。
「なんなのよ」

小さな声でつぶやいて日記帳を開く。

最後に書かれた小学生殺害の日記の次のページを開いてみるが、そこにはなにも書かれていなかった。

この音も私の勘違い?
そう思って更にページをめくったときだった。
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