復讐殺人日記
☆☆☆

お母さんじゃないとすれば一体誰が保人の日記を机の上に置いたのか。
考えた瞬間今日1日つきまとってきた黒い影の存在を思い出して身震いをした。

あれはただの今違い。
勘違いだ。

4人全員が見たのはきっと集団心理とかなんとか、そういうやつに決まっている。

私達は普段から仲がいいし、保人を死に追いやってしまったという共通の秘密がある。

それが見せた幻覚に違いない。
自分にそう言い聞かせて机に近づく。

机の上には相変わらず保人の日記帳が置いてあった。
これは早く処分した方がいい。

これがあるから余計なものを見たりするんだ。
日記帳を手にとり、両手で握りしめて破り捨てようとした、そのときだった。

カリカリカリカリ。
どこからか小さな音が聞こえてきて私は手を止めた。

カリカリカリカリ。
「な、なに?」

それはなにかをひっかくような、ペンでなにかを書くような音に近い。

カリカリカリカリ。
カリカリカリカリ。
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