愛を知って涙に幸あれ。

「優莉〜、カレー出来たぞ〜。」

そう言いながら、食卓テーブルに白いお皿に盛り付けたカレーライスを運んで来る幹ちゃん。

わたしはソファーから立ち上がり、待ってました!とばかりに食卓テーブルに駆け寄った。

「わぁ!美味しそう!」
「まぁ、優莉の口に合うか分からんが、どうぞ。」
「絶対美味しいでしょ!あ、そうだ。乾杯するんだよね!」

そう言って、わたしは冷蔵庫へ向かい、自分のカルピスサワーと幹ちゃんのビールを持って、テーブルに置いた。

そしてわたしは食卓テーブルの椅子に座ると、幹ちゃんが椅子に座るのを待ってからカルピスサワーの缶のプルタブを引き、幹ちゃんと乾杯をした。

久しぶりのお酒を喉に流し込み、「ぷは〜!」と言うと、幹ちゃんは「おっさんかよ。」と微かに笑い、ビールを口につけた。

「おっさんで悪かったね〜。じゃあ、幹ちゃんが作ってくれたカレー、いただきます!」
「召し上がれ。」

わたしはお兄ちゃんのカレーとは見た目も香りも少し違う幹ちゃんのカレーをスプーンで掬い、口へと運んだ。

「ん!」
「ん?不味かった?」
「美味しい!幹ちゃんのカレー美味しいよ!」
「それなら良かった。でも、優弦のカレーには敵わないのは、分かってるから。」

幹ちゃんはわたしの心を見透かすようにそう言うと、自分もカレーを食べた。

幹ちゃんのカレーは、お世辞抜きで本当に美味しかった。
でも、わたしの身体は食べ慣れたお兄ちゃんのカレーを欲していたのだ。

< 11 / 77 >

この作品をシェア

pagetop