すべてはあの花のために②

 ため息を吐いたチカゼは、葵の前に一歩出る。


「お前はちょっと下がってろ。オレが気を引いて、なんとか時間稼ぐから」

「いいや、ここはわたしが行くよ。彼らの狙いはわたし一人だ」

「バカヤロウ。お前はただ、キサを助け出すことに集中しろ」

「それこそ本当に逆の方が」

「お前なら絶対できるから頼むんだ。今一番優先することは、キサの救出だろ」

「! ……うん。そうだった。ごめん」


 大きく頷き合った葵とチカゼは、共に臨戦態勢に入る。


「お前ら、大の男六人に子ども二人、本気で敵うと思うとんかいな」

「やってみないとわかんねえだろうが」

「申し訳ないですが負けないので。早急に手を引くことをお勧めします」


 葵とチカゼは、同時にブレザーを脱ぎ捨てる。
 挑発すると、彼らの雰囲気が一気に変わった。


「……ヤレ」


 その声とともに、男共は一気に距離を詰めた。
 葵とチカゼも同時に距離を縮め、真正面から迎え撃った。


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