すべてはあの花のために②
そうしていると、いつの間にかつけられていた気配もなくなっていた。
今更ながら、生徒会のメンバーはどうやら只者じゃないらしい。視線とか気配がわかるって、……一体何なんでしょうねほんと。
その後、葵はオウリに吊ってない方の右腕を絡め取られ、腕を組みながら帰った。チカゼとヒナタには「離れろ!」「暑苦しい」と言われたけれど。
〈だっておれら
キスした仲だもんねえ♡?〉
なんて言ってまた葵は顔を赤くするし、彼らは素直に煽られるしで、家に着くまでいろいろと大変だった。
家の門まで帰ってくると、シントが待っていた。みんなが一緒なことを確認すると、「お帰り、葵」と通常モード。オウリに至っては本当に久し振りのアキラ兄に、どう対応すれば戸惑っていてとっても可愛らしかった。
「今日も葵を送ってくれてありがとう」
シントはそう言ってすぐに家の門を開けようとする。
「こいつを、送り迎えしてやれないんですか。せめて、怪我が治るまでとか」
チカゼの頼みを、シントは申し訳なさそうにしながら首を横に振る。
「それはちょっと難しいんです。すみません」
今度は執事モードだ。
「理由、教えてもらえませんか」
前にも同じようなことがあったのでヒナタは気になっているのだろう。【あの道明寺の娘】が怪我をしているのに、と。
「申し訳ありません。言えるのは、『私にはここまでしかできない』とだけ」
門を開けたシントは、葵に入るように促す。
「じゃあ、シントさんでなくてもいいんです! こいつのこと、家の人も心配してるんだろ?!」
「そんな人はいないよ」