すべてはあの花のために②

 対して葵たちと別れた彼らはというと――――……?


「……なんだってんだよ。あいつ、家族に駒だって思われてんのかよっ」

「思われてるかどうかはさておき、本人が思ってるのは確かみたいだけど」

「……そういえば、そもそもあいつはどこから編入してきたんだっけ」

「それは今調べ中」

「え? ヒナタ調べてんの?」

「だって普通に気になるくない?」

「何かわかったん?」

「それが全然」

「全然……って、どういうこと?」

「だから言葉の通り。あいつのこと全くわからないの」

「理事長なら知ってんじゃね?」

「聞きに行こうとしたら、マ○カに引き摺り込まれて逃げらんなくなった」


 オウリとチカゼは、ヒナタに両手を合わせた。


「……家が嫌いなら、オレらが一緒にいてやろうな」

「下心見えすぎ」

「ばっ! そんなわけねえだろ!」

「慌てすぎ」

「そんなにいじめるなよう……」

「いじめじゃない」

〈いじり〉

「なんでここでオウリ入ってきたんだよ!」

「オレとオウリ、息ぴったりだから」

〈そういうこと〉

「そこで合わせてこなくていいから……」

「まあ取り敢えず」

〈置いといて〉

「わざわざ分かれて言わんでいい!」

「取り敢えずはさ、あいつのことより」

〈嫌な視線?〉

「そうだな。でも今日のは違ったんだろ?」

「そうだね。今日のは」

〈心配してた〉

「え? じゃあシントさんじゃね?」

「シントさんの場合は、オレらじゃ多分気づけない。気づいたとしても」

〈あーちゃんだけじゃないかな?〉

「え。シントさんじゃねえとしたら……」

「何となくはわかるでしょ」

〈心配なら一緒に帰ればいいのにね〉

「……どういうこと?」

「バカにはわからないこと」

〈ちーちゃんにはわからない〉

「な、なんかむかつくな……」

「きっと、これはあいつの問題だから」

〈だから、おれらは何もできない
 寧ろ、しちゃいけないんだよ〉

「あいつかあ……」

「そのうちなんとかなるでしょ」

〈あーちゃんが気づくと思うよ!〉

「またあいつが動くんか」

「じゃないと無理だろうし」

〈でも、多分もう気づいてると思うよ〉

「もう? 早くね?」

「それはオレも思う。あいつは、異常に周りが見えすぎてる」

〈でもそこがいいところ!〉

「そうだな。オレは助かった」

「取り敢えずオレらは、あいつがもう怪我しないようちゃんと見ておこう」

〈そうだね!〉

「そうと決まったら、次は文化祭か」

「いざ始まったら、絶対一人にさせちゃダメだと思う」

〈気をつけておこう!〉

「……そういえばよ、もうすぐじゃん、あいつら」

「あ。そうだね」

〈どうする?〉

「いやー、これはあれを使うしか」

「そうだね。そうしよう」

〈けってーい♪〉


 はてさて、何が決まったのか。
 それは、その時のお楽しみということで。


< 241 / 286 >

この作品をシェア

pagetop