すべてはあの花のために②
「いや、できなかったんだから諦めなさいよ」
「だってえ! さっきは出来たんだよおー……!」
もう一度チャレンジしようと思ったが、今度はどうやっても出来なかった。悔しい。
「6時限目終わるから、そろそろ帰る支度しなさい」
ツバサが片付けを手伝ってくれる。
「……今日も、来ないんだね」
「……そうね」
葵は膝を抱えて座り込み、俯いている。
「元気出しなさい。きっと作品が出来たら」
「大丈夫だよ。それはないって、わたしもわかってる」
「……そう。わかってるのね」
「うん。……みんなも、知ってるんだね」
ツバサはトランプをケースに収めながら、視線を少し外す。
「でもこれは、あの子の問題だから」
「どうして?」
「……手を出したところで、アタシたちが消されるからよ」
「わたしは手を出してないのに消されそうになってるんだけど……」
「ふっ。確かにそうね?」
「わたし、何かしたのかな……」
「……アンタ、あの子をすくうつもりなの」
「え?」
「あの子はね、囚われているのよ」
「……囚われてる?」
「どうしてそうなったのかは、あの子に聞きなさい」
「……うん。最初からそのつもりだ」
「そう。……心強いわね」
「ツバサくん。わたしが彼をすくうからね」
「やめておきなさい」
「え? な、なんで……さっきは心強いって」
「もし何かあったとしても、警察なんかが動くなんてことはないんだから」