すべてはあの花のために③
「その条件に、時間制限と俺も倒せたらっていうのを付けたら」
――その用件、呑んであげてもいいよ。
彼のその言葉に、周りの男共からは喜びの声が上がる。
「組長がいれば百人力だー」とか何とか言って、大はしゃぎしながら、準備運動をし出す。
「……っ、紫苑さん。それはあかん!」
「何マサキ。お前は俺のためにこのクソ女をここまで連れてきてくれたんだろう? だったら、その期待に応えないとね?」
マサキは、それ以上何も言わなかった。
いいや、言えなかったのだ。
何故なら、葵が彼の前に腕を出して止めたから。
「おいバカ親父。制限時間はどうするんだ」
「は? クソ女。お前の命は元からあと45分。それで十分。まあそんなことをしなくても、お前はすぐにこの世からいなくなるけどね」
彼がそう言うと、何故か葵は「えー」と批判の声を出す。
そんな葵の様子を見て男共は「今更命乞いなんて遅いんじゃ」とか何とか言っているが。
「長ーい! 長すぎだってバカ親父! やっぱりあんたはバカだったのか!」
そうして葵は大爆笑。この場にいる全員を馬鹿にする。
「制限時間なんか15分で十分。それでもきっと余るし。まあ彼らももうすぐ来ると思うので、それまでにわたしがちゃちゃっとお掃除でもしちゃいましょうかね」
自信たっぷりの葵に、彼らにもどうやら完全に火がついたようだ。
「ふーん。わかった。どうやらよっぽど命知らずみたいだけど、どうせなら俺は一対一でやりたいからね。こいつら倒したら相手してあげるよ」
そう言って彼は葵に背を向けて、さっきまで座ってたところに足を向ける。そのまま進みながら、手を上げた。
「――――殺れ」
次の瞬間、男共が一斉に葵へと飛びかかった。