すべてはあの花のために③
……ごほん。それに関西弁の男に襲われたって言うじゃん?
マサキ何してんのって思ったよね! アオイちゃん結構重傷になってるし!
そうか、一番信用してたマサキも、俺は警戒しないといけないのかと思ったんだ。いや、マサキだけじゃない。五十嵐組はやっぱり警戒しないといけないのかと思った。先生のことがあってから家を飛び出して、一回も帰ってこなかったのはそういうこと。
えーっとそれから。……殺すって何。どうして親父はそこまで病んでるの?
最初は冗談でアオイちゃんのこと脅しただけかと思ってたのに。
だから、アオイちゃんから離れないとと思った。そうしたらそのうちわかるだろうって思ってた。まあそれだけじゃなくて、最初に襲った奴の特徴がなかったから、先生と彼女を襲った奴らなのかと思って、どっちかわからなかったから。
だから、ここはひとまず距離をとって様子を見るべきだと思ったんだ。
それが、結構苦痛だったんだよね。
でも、学校だったらいいじゃんってアオイちゃん言ってくれたから。ああそっか。この子も俺に会いたいと思ってくれてるんだって思ったんだー。
……あれ? ここ、突っ込まれるかと思ったのに!
え? 本当のことって……アオイちゃん! やっぱり俺、アオイちゃんが――……あ、はい。そうだね。ごめんなさい。話しますから、頭が割れそうなんで手、離してもらってもいいですかッ?!
でも、アオイちゃんはここに連れてこられた。いいや、ついてきたって言うのが正しいのか。
俺は、組の奴らを信用してなかったけど、家族は信じたかった。
それでも、親父が本気かもしれないって思ったら。ここでまた、大事な人を守れなかったらって思ったら、居ても立っても居られなかった。
真っ先に、アオイちゃんを助けようとした。信じたかった俺の家族から、助けたかった。でも、最初は動けなかった。アオイちゃんが怖かったから。ごめんね。
でも、みんなから聞いたんだ。さっき襲ってきた組の奴は、全然自分たちのこと攻撃してこなかったって。本当に時間だけ潰されたって。
それを聞いて、マサキに考えがあるのかと思った。
それに頭のいいアオイちゃんが乗ったのかと思った。
……もう一回、家族を信じてみようって思った。
だから俺はアオイちゃんを守るためだけに、ここへ帰ってきたんだ。
今度は絶対に、俺が守ってやるって思って。
みんなのおかげで、俺はここまで帰って来られたんだよ。