すべてはあの花のために③

「……このことと関係があるのかな」

「??」


 マサキは何のことかはわからないようで首を傾げているが、葵は目を見開いたまま固まった。


「……もしかして。マサキさんもこのことはご存じ……ですか」


 葵の問いに、マサキはわけがわからずやっぱり首を傾げている。葵は、きっと知っているのだろうと思ってマサキに耳元で聞いてみる。


「え? ああ知っとるで。さっきと、この間はそうなっとったと思う」


 彼がそう言うと、「そうですか……」と、葵はシオンの腕の中にすっぽり収まったまま考え込んでしまった。


「……ねえねえ。このまま布団に連れてっていい?」

「ダメに決まっとるやろ。俺に返せや」

「何言ってるの。元からお前のじゃないじゃん」

「連れて来たんは俺や」

「意味わかんないし。……黙り込んじゃったけど、関係あるって言ってるようなものなのにね」

「そうやな。確かに、この子の異常なとこやね」


 そんな会話を目でしていると、シオンは急に抱えているものが重くなった。


「アオイちゃん? ……え。アオイちゃん!」

「どうしたんや! めっちゃ震えとるやんけ!」


 葵は浅い息を繰り返すだけで、こちらの声が聞こえていないようだった。


「紫苑さん何したん!」

「ただ抱き締めてただけだし! ……っていうか手、すごい冷たいんだけど!」


 おでこに手を当てても熱くない。風邪とかではなさそうだけど。


「「……ッ、取り敢えず温めよう!」」


 二人は葵を抱えて、ある場所を目指して走り出した。


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