すべてはあの花のために③
小走りしたキサは、二人の間に入って腕を掴む。
「それでは、ちゃんと送っていってもらいましょうかねー。あっちゃんが安心できるように?」
二人はやっぱり照れた顔を隠すようにぷいっと顔を逸らしながらも「りょーかい」と。そう言って腕をキサに掴まれたまま歩き出した。
彼女の傍で。一番近くで。
きちんと見えているところで、彼女を支えることを選んだ、アキラとカナデ。
彼女に気づかれるか気づかれないか。
陰で彼女を支えることを選んだ、ツバサとアカネとオウリ。
そして。彼女からは全く見えない。もしかしたら気づかないかもしれない。
そんな陰の、もっと陰で支えることを選んだ、チカゼとヒナタ。
「(それぞれのいいところで、ちゃんとあっちゃんを守ってあげてる)」
でも、やっぱり流石は弟たち。
決して贔屓目で見ているわけではないけれど。
「大丈夫だ!」
いきなりキサが大きな声で叫んだので、二人は驚いて立ち止まる。
「ちゃんと見えてるから。あんたたちがやってることは、絶対に届いてるよ!」
二人は一瞬目を見開くが、キサの言葉に自信たっぷりのしたり顔。
その後三人は、満面の笑みで一時帰宅したのだった。