姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「フィアンナ王女。あなたを四カ月も放置したことを謝罪をしたい。言い訳になるが、俺は花嫁行列で川に入るあなたの姿を見て誤解したのだ。言葉も介さぬ王女と思い込み、サドニア神聖王国への憤りを罪のないあなたにぶつけた。軽んじた扱いをしたこと、申し訳なかった」
ジンガルドはだいぶオブラートに包んだ物言いをしたが……。
「え、ちょっと待って。もしかして私が川の水を啜って荷馬車から林檎を奪って齧って、その芯を騎士の顔に投げつけてスキップで馬車に戻ったのを、見ていたの?」
丁寧な言葉遣いも頭から吹き飛んで、ひと息で捲し立てた。
ふいに脳裏に旅装のローブを纏った一行が浮かぶ。
っ、あれか! あれが、ジンガルドたちだったんだ!
あの時は、相手は所詮一見でどう思われようとかまうことかと開き直っていた。だけど、いざこうして自分の取った行動を突きつけられると、とんでもなく恥ずかしい。
「プッ、身も蓋もない言い方だな。だが、まぁ……見ていた」
ジンガルドはだいぶオブラートに包んだ物言いをしたが……。
「え、ちょっと待って。もしかして私が川の水を啜って荷馬車から林檎を奪って齧って、その芯を騎士の顔に投げつけてスキップで馬車に戻ったのを、見ていたの?」
丁寧な言葉遣いも頭から吹き飛んで、ひと息で捲し立てた。
ふいに脳裏に旅装のローブを纏った一行が浮かぶ。
っ、あれか! あれが、ジンガルドたちだったんだ!
あの時は、相手は所詮一見でどう思われようとかまうことかと開き直っていた。だけど、いざこうして自分の取った行動を突きつけられると、とんでもなく恥ずかしい。
「プッ、身も蓋もない言い方だな。だが、まぁ……見ていた」