転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。
「あんたが、何?」
むむっと考え込む私の顔を覗きこみ、きょとんとする陽に、罪悪感が芽生えた。
くっ…!
ごめん!本当のことは言えないんだっ…!
いつか私を恨んでくれてもかまわないっ…!
『あんたさ、彼女とかいないわけ?』
これはもうはぐらかすしかないと思って、気がつけばそんなことを口走っていた。
ぁ、……しまった。
つい勢いで…!
まさか弟に恋バナをふってしまうとは…!
まぁほんとにちょっとだけ気になってはいるんだけど…絶対この弟は「は?何で李和にそんなこと教えないといけねぇの?」とか言ってくるに違いない。
うーん。
「いねぇよ」