うしろの正面だーあれ



『朝子ちゃん、来たよぉ〜!』



『咲子!隆史も。』



朝子は嬉しそうにベッドから起き上がる。



『よ。元気か?』



『まぁね。
まだギプスは取れないけど。』



『そりゃそうだろ。』



『ところで、もうすぐ学校じゃん。宿題終わったの?』



『あは…言わないでぇ!』



『まったく咲子は…。』



そんな他愛も無い話をしていた。



これから振りかかる恐怖に、咲子はまだ気付きもしない――…






『それじゃ、そろそろ失礼するね。』



『うん、ありがとね。隆史も。』



『おう。』



…なんだか、朝子ちゃんが少し素直になった気がする。



そんなことを思いながら、咲子達は病院を後にした。



途中で隆史と別れ、咲子は隆史とは別の道を歩いていく。



それが地獄に続く道だとは夢にも思うまい。



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