うしろの正面だーあれ
『でも咲子、抜け出せたじゃない。』
『それはね、フクロウさんがセキゾーを怒ったからだよ!』
『何でフクロウがセキゾーを怒るの?』
『昔ね、お母さんのいない子ギツネをフクロウさんが育てたんだって。』
『へぇ〜。それでねぇ…。
なんだか おとぎ話みたいね。』
『うん!』
な…なんか腑に落ちない…。
だけど…咲子の笑顔を見たら、まぁいっかって思ってしまう。
…いや、よくない。
よくないんだけど!
いじめは…難しいし…。
咲子なりに考えてるのかも…。
今は、そっとしておいた方がいいのかな。
『ねぇ、咲子。
…辛くなったら言ってね?』
『お母さん…。
うん…ありがとう。』
咲子の顔には笑みが こぼれた。
それは造り笑いではなく、心の底からの 本当の笑顔だった…。