うしろの正面だーあれ



各自クラスに戻り、ホームルームが始まる。



4組の担任である桜井先生は、若くて綺麗で、その上 優しそうだった。



『みんな、1年間よろしくね!』



声が可愛く、性格も明るそうで、咲子は本当にこの先生で良かったと心底思った。



『みんな自己紹介してくれるかな。じゃあ、えっと…梅島くん。』



『せんせー。』



自己紹介を始めようと立ち上がった梅島くんをよそに、杏奈が口を挟んだ。



『何かしら、えっと…高井戸さん。』



『自己紹介なんか必要ねぇんだよ、みんな知ってるんだから。知らないのはあんただけでしょ?自分のために貴重な時間を無駄にしないでくださーい。』



『え…』



杏奈の態度に、まだ教師を始めて間もない彼女は早くも戸惑っている。



目は泳ぎ、頬は赤い。



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