うしろの正面だーあれ
休み時間になり、隆史が咲子の元へ来た。
『話せたか?』
『うん、一応…。放課後、教室で待っててって伝えた。』
『そっか。』
放課後――
教室には誰も居ない。
オレンジ色の夕陽が、教室を染めていく。
『先生…』
咲子が呟いた。
『どうしたの?』
『先生こそ…どうしたの?』
独りで喋る咲子を、隆史は隣で真剣に聞いていた。
『先生、死んじゃったのかしら。』
その口ぶりは、とぼけたような…いや、死んだことを確かめる際に訊くような、重い口調ではなかった。
『うん…。』
咲子が言いにくそうに答えると、先生は納得したように『そう…。』と呟いた。
『何があったの?先生。』
桜井先生は、少し躊躇いながらも静かに口を開いた。