うしろの正面だーあれ
『そろそろ帰ろっか。』
『そうだな。』
『またね、先生。』
『ええ、気を付けてね。』
そう言って、先生は触れることの出来ない私の頭を撫でた。
なんとなく暖かい気がした。
『ねぇ、杏奈ってウザくない?』
『え…』
杏奈と仲の良いはずの早織から出た思いがけない言葉に、その場に居た全員が黙り込んだ。
『親が権力者だからって調子乗ってると思わない?』
そんな空気にも構わず、早織は続ける。
『う…うん…。』
『私も、ちょっと思ってた…。』
『自分中心っていうか!』
『ワガママだよね。』
最初は様子を伺うような口ぶりだったが、早織が頷いているのを見て、だんだんとヒートアップしていく。