うしろの正面だーあれ



不機嫌に教室から出ようとした早織の足を、杏奈がサッと引っ掛けた。



勢いよく転ぶ早織。



そんな早織の頭上から、杏奈がクラスに向けて叫んだ。



『知ってるー!?
こいつの父親の会社、もうすぐ倒産するんだよー!!
超ダサくない?ビンボー!』



教室に響く杏奈の高らかな笑い声が、早織の目頭を熱くさせる。



床に倒れたままの早織は、震える拳を爪の跡がつく程 強く強く握り締めた。



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