うしろの正面だーあれ
『は?何それ。』
杏奈が冷たく吐き捨てる。
『会社…潰さないで…。』
『はぁ〜?
聞こえないんですけど〜。』
『会社!!潰さないで!!!』
『それが人に物を頼むときの言い方〜?』
『っ……………
お願い…します…。』
『靴、舐めて。』
『え…?』
『靴!舐めろよ!』
『ちょっと!
杏奈ちゃん、やりすぎだよ!』
思わず咲子が止めに入る。
が、杏奈は耳を貸さない。
『ほら、早く舐めてよ。』
早織の口元で、杏奈は足先をゆらゆらと揺らす。
それを見た早織は、突然 杏奈の足を引っ張った。
バランスを崩し、倒れる杏奈。
『いい加減にしろよ、お前。』
今までに聞いたことのないような低い声で、早織は杏奈に吐いた。