うしろの正面だーあれ



『………………。』



思うことがありすぎて声が出ない。



代わりに目で訴えるように、焼け焦げた体操服入れを見つめる。



『ああ、それね。あなた、ずっと離さなかったのよ。』



『………………。』



『痛かったでしょう?
もう大丈夫だからね。』



『………………。』



『…じゃあ、行くわね。』



クンッ



『どうしたの?』



看護士は優しく尋ねた。



裾を引っ張って、行かせない佐和に。



佐和は、一生懸命 声を絞り出して問うた。



『誰が…誰が救急車 呼んだの…?』



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