うしろの正面だーあれ
『小学生の女の子よ。名前は分からないけど…。救急車が来て、先生もびっくりしてらしたみたいよ。』
『そっか…。』
小学生の女の子…
誰だろう…。
『あ、そうだ。先生が ご家族に連絡してくださったみたいなんだけど、まだ みえないの。お仕事かしらねぇ…。』
『…来ないよ…。』
『え?』
『絶対来ない…。』
『………………。』
『どうしよう…きっと入院代も払ってくれない…。』
『どうして?』
『お父さん…アルコール中毒なの…。お母さんは死んじゃった…。』
『そうだったの…。』
肩を落とす佐和の背中を、看護士は優しく撫でた。