うしろの正面だーあれ
震える手で119を押す。
『はい、こちら119番。
どうしました?』
『おか…お母さんが…倒れてっ…』
『それは いつ頃かな?』
『わか…らない…。
学校から帰ってきたらっ…』
『住所を教えてくれる?』
『うんっ…。』
『…分かった。
すぐに救急車が行くからね。』
『うんっ…。
早く…お母さんを助けてっ…。』
『落ち着いて。
お母さんに呼び掛けてあげて。』
『うんっ!』
佐和は呼び続けた。
大好きな、母の名を…。