うしろの正面だーあれ



再び集められ、母を待つ。



そこには、先程までの母の姿はなく、棺の跡さえ残っていない。



たくさんのホッチキスの針が、茶色く焦げて、骨と化した母の周りを囲っていた。






『えー…これが喉仏様です。』



見知らぬ男性が言う。



その男性は、拾った お骨を白い壺に入れた。



その光景をただ見ていた佐和に、親戚の1人が言った。



『ほら、佐和ちゃん。
一緒に お骨、拾うわよ。』



そう言うと、長い箸を渡された。



『お骨はね、2人で一緒に拾うのよ。』



『………………。』



佐和は黙ったままだった。



こんな汚い大人達と一緒に?



拾わなければいけないの?



ねぇ、お母さん…。



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