うしろの正面だーあれ
それからは、母が結婚前から こつこつと貯めていた貯金を少しずつ崩して生活費に当てている。
しかし、その貯金もあと少しで底をつく。
ましてや入院費など払えるお金は残っていないのだ。
佐和は、両腕に巻かれた白い包帯を見た。
『そんなことがあったの…。』
看護士が躊躇いがちに呟いた。
『………………。』
『辛かったでしょう?』
『………………。』
『入院費は、私がなんとかするから心配しないで。』
『お姉さん…。』
『もう大丈夫よ、お姉さんがついてるから。』
『うん…。』
佐和は、看護士の腕の中で久しぶりに心が安らぐのを感じた。