うしろの正面だーあれ



『ぅわっ…!』



俺は目を見開くだけで声が出なかった。



代わりに心臓がドキン!と強く鳴った。



『憂…?』



『兄貴…。』



どうやら学校へ行こうと、内側からノブを回そうとしているところに俺が入ってきたらしい。



いきなりの対面に少し戸惑っている俺に、兄貴は優しく『おかえり。』と言ってくれた。



なじられると思っていた俺にとって、その言葉はあまりにも意外で。



少し瞳が潤んだ。



泣きそうなことを悟られないように、俺は兄貴から目線をそらして ぶっきらぼうに『ただいま。』と言った。



< 448 / 675 >

この作品をシェア

pagetop