うしろの正面だーあれ
「…何してんの?」
「…こっちの台詞だっつの。」
保健室に居たのは隆史だった。
「せっかく寝てたのに起こすなよ。」
「てか何で居んの?
鍵、締まってただろ?」
「ん?…あぁ、窓から入った。」
「あぁ、窓、ね。」
保健室は1階で、救急車にすぐ運べるよう、駐車場と隣接した造りになっている。
つまりは外に通じる裏口からも入れるのだが、そこは鍵が締まっているので、ものぐさな保健医が窓の鍵を締めないことを知っている隆史は窓から侵入したという訳だ。
「隆史、お前も次、サボリ?」
「ちげぇよ。
お前と一緒にすんな。」
「じゃあ体調悪いとか?」
「お前みたいに なよなよしくねぇよ。」
「なよなよしいって何だよ。
これでも鍛えてんの!
それに、俺は着痩せするだけで結構…」
「はいはい。」
「………………。」
まるで相手にしてもらえない憂は、『ふぅ…』と溜め息を吐き、壁にもたれて しゃがみ込んだ。
それを横目でチラリと見た隆史は、視線は下に落としたまま 口を開いた。