うしろの正面だーあれ
取り調べ室の中央には机があり、机を挟んで1人の青年と刑事が向かい合わせに座っている。
端の方には見張りの警察官がおり、“休め”の姿勢を保っている。
「お前がやったんだな?」
刑事の言葉は断定的であった。
しかし、青年は否定することもなく、奇妙な笑みを見せながら認めた。
「ふはは・・
たまんないなぁ、人を刺すときの感触…!ズブッとナイフが深く刺さってさぁ…!」
その狂喜に満ちた青年の顔は、どう見ても“普通”ではなかった。
刑事が机を力任せに叩く。
その音に、青年は口を閉じ、冷めた目で刑事を見た。
「力ずくで僕に勝てると思うなよ。」
その言葉の真意は、誰の、どんな態度にも、自分の心の中には決して踏み入れさせないという強い意志を意味していた。