うしろの正面だーあれ



昼からの2時間は、いつもならば あっという間に過ぎていくのに、今日だけは長く感じた。



隆史の言葉が頭から離れない。



授業の内容も頭に入らず、ただ黒板に書かれた文字をそっくりそのまま写していくだけだった。






長い授業がようやく終わった頃、咲子はどっと疲れていた。



「咲子、今日 憂と亀地の見舞い行くか?」



帰る用意をしていたとき、隆史が訊いてきた。



「…ごめん、今日は用事あって…。」



嘘をついてしまった。



「…そっか。
じゃあな、また明日。」



隆史の笑顔は、少し寂しげだった。



そんな笑顔を見てしまえば、ひどい罪悪感に襲われる。



ひとり帰っていく隆史の背中を、咲子は後悔の眼差しで見つめていた。



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