うしろの正面だーあれ
とぼとぼと力無く歩き、咲子は家路についた。
“ただいま”さえ言う気になれず、そのまま自分の部屋へ直行した。
パタン・・
カチャッ
鍵を締め、鞄を投げ捨てる。
ベッドに体を投げ出し、深い溜め息を吐いた。
再び隆史の言葉が鮮明に蘇る。
まるで隆史の口から聞こえてくるかのように、それはそれは鮮明に…。
ブィー・・ブィー・・
制服のポケットの中から、携帯の振動が伝わる。
起き上がり、咲子は少しの期待を胸に寄せて携帯を取り出した。
メールが1件。
受信ボックスを開く。
“好きな子が出来た。
もう俺につきまとうな。”
「―――――っ」
やっぱり…
やっぱり嘘じゃなかった…。
隆史くんは私のことなんて…好きじゃなかった…。
メールも電話も…本当は全部ウザかったんだ…。
どうしよう…
私…てっきり、隆史くんも私のことを…って自惚れてた…。
明日から、どんな顔して会えばいいの?
教えてよ…。