うしろの正面だーあれ



「鶴田や亀井も、俺らが殺したように見せかけて、本当はお前がやったんだろ?」



「…ああ。
転がり落ちた鶴田や亀井を、俺がバットで殴り殺した。」



「おかしいと思ったんだ。
咲子が突き落とされたときは軽い擦り傷で済んだのに。」



タケルは、はめていた皮手袋を外した。



「俺が殺らないと、楓が…」



「まだ杏奈に脅されてんのか?」



「あの日…俺は杏奈に体を売った…。楓を守る代わりに、何でも言うことをきく…そういう契約をしたんだ。」



「だからって…」



「お前は杏奈を甘く見てる!」



タケルの怒声が静かな病室に響く。



「あいつは悪魔だぞ…。」



タケルの声は、まるで、悪魔に生気を吸い取られたかのような、なんとも弱々しい声だった。



< 667 / 675 >

この作品をシェア

pagetop