うしろの正面だーあれ
「もう終わる。」
俯くタケルを見下ろしながら、隆史は静かに言った。
その言葉を理解するのに時間はかからなかった。
次第に足音が近付き、病室の扉が勢いよく開かれた。
「西名タケル、殺人容疑で逮捕する!」
呆然と隆史を見つめる。
それに応えるように、隆史は口を開いた。
「俺は…待ってるから…。
お前のこと、親友だと思ってる。」
その強い瞳が、キラリと光った。
タケルはフッと笑った。
「楓に何かあったら頼むわ、親友。」