すべてはあの花のために⑥

お願いっ! 答えてよっ……!


 キ――――ン。


「っ、うぁ……っ」


 突如、葵の頭に耳鳴りのようなものが響く。


「え。……ちょ、どうしたの」


 キ――――ン。





「……。やめてっ……」


 葵は頭を抱え、その場に蹲る。
 今度は、じりじり……と焼けるように頭が痛んだ。


『……え。な、んで……』


「……な。に。これ……」

「ちょ、……ほんとに大丈夫? 体調悪いなら保健室に……」


『何でヒナタくんがこんなところにいるのっ……!?』


「……しら。ない。わたし。は……」

「……っ、くそ。わかる? ねえ! 返事して!」


『お願いっ! 答えてよっ……!』


「……な。んで。あそこに。いたの……」

「ダメだ! こっち見て! ――あおいッ!!」

「――!!」


< 229 / 251 >

この作品をシェア

pagetop